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大人の学び直し英語【30】

分詞構文 -3-

前回、分詞構文の主節と分詞部分の時制について取り上げました。分詞構文の時制は、基本的には主節の動詞や助動詞で表します。では、主節と分詞部分の時制がずれている場合はどうなるでしょうか。その場合も分詞構文が使えますが、ある手続きが必要です。

 

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主節は現在だが分詞部分は過去の場合

前回の記事の最後で、次のような例文を取り上げました。

Charlie is feeling depressed because he failed the exam.
意味:チャーリーはテストに落ちたので、憂鬱に感じている。

チャーリーが今憂鬱なのは、過去のある時点でテストに落ちたからです。
接続詞becauseを使って、主節の「主語+動詞」、従属節の「主語+動詞」という形を使えば簡単に表すことができます。

しかし、次のような文も時折見かけます。

Having failed the exam, Charlie is feeling depressed.

これも分詞構文です。
なぜHavingが付いているかと言えば、主節のCharlie is feeling depressed.より前に起こったことだからです。 

分詞構文で、分詞部分が主節より前に起こったことを表している場合にこの形を使います。

having+過去分詞

 

主節は過去だが分詞部分はそれよりもっと前に起こった場合

Charlie was feeling depressed because he had failed the exam.
意味:チャーリーはテストに落ちたので、憂鬱に感じていた。 

この例文では、チャーリーが過去に憂鬱に感じていたのは、それよりさらに前にテストに落ちたからです。

では、これを分詞構文で表すにはどうしたらいいでしょうか。
hadingを付けることはできません。
正解はこちら。 

Having failed the exam, Charlie was feeling depressed.

そう、分詞部分は主節が現在の時と変わりません。

分詞は時制を表さないという原則を思い出せば、時制を表しているのは相変わらず主節部分です。

分詞構文でhaving + 過去分詞を使うのは、主節の時制よりひとつ過去にずれている時です。
主節が現在なら過去、主節が過去なら過去の過去となっている時です。

 

完了形を分詞構文にする場合

I don’t want to go to the cinema because I have already seen the film.
意味:その映画はもう見たことがあるので、映画館に行きたくない。 

have already seenは現在完了で、この場合は意味として経験を表しています。

この例文を分詞構文にするとどうなると思いますか。
素直にこうなります。

I don’t want to go to the cinema having already seen the film.

つまり、分詞構文でhaving+過去分詞が使われているとき、ふたつの理由が考えられ。

1 主節の時制より過去に起こったということを表すため
2 もともと完了形を使って表すべき事例だから

主節が過去でも同じです。

I didn’t want to go to the cinema having already seen the film.
意味:前にもうその映画を見たことがあったので、映画館に行きたくなかった。

 

練習問題

ふたつの文が同じ意味になるように(  )に入れる言葉を選んでください。

1.
After I had washed the car, I noticed a small scratch on the front fender.
(  ) the car, I noticed a small scratch on the front fender.
1) Washing 2) Washed 3) Having washed

2.
As he had misunderstood the lecture, he decided to work harder.
(  ) trouble understanding the lecture, he decided to work harder.
1) misunderstanding 2) misunderstood 3) Having misunderstood

3.
I heard a strange sound while I was cooking dinner.
I heard a strange sound (  ) dinner.
1) cooking 2) cooked 3) having cooked

4.
Since he has been brought up in Japan, he speaks Japanese fluently. 
(  ) in Japan, he speaks Japanese fluently. 
1) Bringing up 2) Had brought up 3) Having been brought up

5.

Charlie had sold all his comic books so he was sad.
(  ) all his comic books, he was sad.
1) selling 2) sold 3) having sold

6.
When they got shocked by the results of the elections, they refused to accept the fact.
(  ) the results of the elections, they refused to accept the fact.
1) shocking 2) shocked 3) having shocked

 

解答・解説・和訳

1. 3) Having washed
傷に気が付いたのは車を洗った後である。
意味:車を洗った後で、私はフロントフェンダーに小さな擦り傷が付いているのに気付いた。

2. 3) Having misunderstood
意味:講義の意味を取り違えてしまったので、彼はもっとしっかり勉強しようと決めた。 

3. 1) cooking
主節と分詞部分はどちらも過去で、しかも同時に起こったことでズレがないため、having+過去分詞の形にする必要はない。
意味:夕食を作っているとき、私は奇妙な音を聞いた。 

4. 3) Having been brought up
完了の意味合いをそのまま残すため、having+過去分詞を用いる。
be broughtはbringの受け身として使っている。
意味:彼は日本で育てられたので、流暢な日本語を話す。

5. 3) having sold
意味:漫画の本を全部売ってしまったので、チャーリーは悲しかった。

6. 2) shocked
got shockedはwas shockedと同じく受け身である。
主節と分詞部分で時がズレていないので、having+過去分詞を用いる理由はない。
意味:選挙の結果にショックを受けたとき、彼らは事実を受け入れるのを拒否した。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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