中学英語からまるっとおさらい!
大人の学び直し英語【2】
文構造 動詞編
急に英語が必要になった方も、単に英語を学びたくなった方も、英語を学び直すにはまず文構造を押さえましょう。リーディングもリスニングも、ライティングもスピーキングも、これがなくては始まりません。今回は動詞に焦点を当てています。解説は今のところ初級レベルを想定していますが、練習問題は初級レベルと中級レベルを混ぜています。先に練習問題をして、ふたつ以上ミスがあったら前半も読むという使い方もありだと思います。
お得な情報
コロナの影響で中止になっていた海外留学がだいぶもとに戻ってきました
Liberty English AcademyではTOEICのAランクを目指す方対象のコースを提供いたします!
英語の文には必ず動詞がある
日本語には動詞のない文もありますが、英文には必ず動詞があります。これを押さえていないと、どんなに難しい英単語を知っていても英語は使えません。
例えば、「私は毎週テニスをする」という文なら日本語にも「する」という動詞が入っています。英語にすれば
I play tennis every week.
「する」がplayになっていて分かりやすいですね。
では、「このコンピューターは高い」という文はどうでしょうか。
This computer is expensive.
日本語の方には動詞がありません。「コンピューター」は名詞、「高い」は形容詞、「は」は助詞、「この」は連体詞。それで文として成り立っています。しかし、英文を文として成り立たせるためには、必ず動詞が必要です。そこで形容詞expensiveの前にisというbe動詞を使っています。
(因みに、英語に「連体詞」という品詞はありません。「この」に当たる言葉がないのではなく、「連体詞」という分類をしていないということです。国文法と英文法は別々のものとして考えましょう。混ぜると危険です。)
単純な文なら、「このような時はこう言う」と丸暗記していれば大丈夫ですが、文が複雑になったときも、英文は常に動詞を必要とするということを忘れないようにしましょう。
動詞を見つければ文の構造が見える
動詞が見つかれば、主語はどれか、目的語はあるかなど、文の構造が見えてきます。
ここで言う動詞とは、その文や節の中心となる「主語+動詞」の動詞のことです。動名詞や不定詞などは、品詞は動詞でも文の中で他の品詞のような役をしています。動名詞は文の中で名詞のような役割を負っています。不定詞は、名詞のようになることもあれば、形容詞や副詞のような働きをすることもあります。その他にも、分詞が形容詞のような役割をする場合もありますね。
I enjoy working in this country.
(私はこの国で働くことを楽しんでいる)
上の文の場合、品詞としてはenjoyもworkingも動詞です。しかし、日本語でも「こと」を付けて名詞化しているように、workingはこの文の中で名詞のような働きをする動名詞です。この文の要となる動詞はenjoyの方です。次の文と比べてください。
We enjoy the music.
(私たちはその音楽を楽しむ)
musicは名詞ですね。workingもmusicもこの場合は同じ役割を果たしています。
ひとつの文に動詞はひとつか
その文の要となる動詞は、通常ひとつの文にひとつです。しかし、andやorで繋がれてふたつ以上使われていることもあります。
We enjoyed the wine and talked a lot.
(私たちはワインを味わい、たくさん話した。)
また、ひとつの文の中に「S+V」が二組ある場合もあります。
We enjoyed the wine and the children took hot milk.
(私たちはワインを味わい、子どもたちはホットミルクを飲んだ。)
We enjoyed the movie which won many awards.
(私たちは多くの賞を取ったその映画を楽しんだ。)
後の文では、which won many awardsがthe movieを詳しく説明しています。関係代名詞whichがwonという動詞の主語だと言えます。
練習問題
( )の中に入るものを下の選択肢から選んでください。
1. Your cell phone ( ) in the kitchen.
a) must b) maybe c) is
2. The committee must make ( ).
a) a decision b) decide c) choose
3. This guide book was very ( ) when I traveled in New Zealand.
a) helpful b) help c) assistance
4. It is recommended to write your cover letter in simple expressions that you ( ) well.
a) know b) knowledge c) good at
5. The doctor said that he should ( ) less sugar and do more exercise.
a) not b) takes c) take
6. He ( ) visit the museum with us if he wants.
a) can b) likes c) is
7. The Outsider Art Museum ( ) a large collection of paintings, sculptures and pictures by artists of all backgrounds.
a) there b) is c) has
8. Our grandparents ( ) bring gifts to all of us whenever they return from a trip.
a) give b) kind c) always
9. She ( ) the expense report to the accounting office as soon as she returned from London.
a) must b) submitted c) paid
10. I didn’t want to look as sad as I ( )
a) really b) real c) felt
11. All the family members of Lucy except for her younger sister ( ) against her marriage.
a) agree b) is c) were
解答解説
1.c) is
動詞がないので、選択肢の中の唯一の動詞、isを入れる。mustは助動詞、maybeは副詞。
意味:あなたの携帯は台所にあります。
2.a) a decision
b,cはどちらも動詞。動詞はすでにmakeがあり、この文にはふたつ動詞を入れる理由はない。make a decisionで「決定する」という意味。
意味:委員会は決定を下さなければならない。
3. a) helpful
b) helpは動詞で、動詞はすでにwasがある。 c) assistanceは「助け」「援助」などの名詞で、very「とても」の後に名詞は続かない。helpfulは形容詞。このようにbe動詞+形容詞のパターンはよく使われる。
意味:私がニュージーランドを旅行した時、このガイドブックはとても役に立った。
4.a) know
この文の要となる動詞はisで主語はit。ただ、expressionsの後にthat youと続いているのを見て、that以下がyouを主語とする節になり、expressionsを説明していると見る。主語youにも動詞が必要。b) knowledgeは形容詞、 c) good atは形容詞+前置詞。
意味:カバーレターは、よく知っている簡単な表現で書くことをおすすめします。
5. c) take
文全体の要となる動詞はsaidだが、that以下にもheを主語とする「主語+動詞」の構造がある。助動詞shouldの後には動詞が必要で、その動詞は原型でなければならない。助動詞は必ず動詞を伴う。そして、can, will, may, must, shall, should, wouldなどの助動詞は、後の動詞が原型になる。因みにこの文では、andの後にもうひとつの動詞doがある。
意味:医師は、彼は砂糖を取るのを減らし、もっと運動するべきだと言った。(直訳すれば「彼はより少ない砂糖を取り、」となる。)
6. a) can
visitには動詞と名詞があるが、直後に前置詞なしで名詞が続いているので、動詞だと考える。主語が三人称単数なのに原型になっているので、前に助動詞を入れる。
意味:彼はもしそうしたければ、私たちと一緒に美術館に行くことができる。
7. c) has
動詞がないので動詞を入れる。動詞はbかcだが、この文のように場所を主語として「~がある」という意味にするにはhaveを使う。主語であるThe Outsider Art Museumが三人称単数なのでhasになる。
意味:The Outsider Art Museumにはあらゆるバックグラウンドの芸術家による絵画、彫刻、写真の多くの蒐集品がある。
8. c) always
動詞はbring。kindという形容詞は、grandparentsの前なら意味が通るが、後には使えない。副詞alwaysなら入る。
意味:私たちの祖父母は旅行から戻るといつも私たち全員にお土産をくれる。
9. b) submitted
文頭Sheの動詞が必要。(expenseには動詞としての用法もあるが、theが付いているのでここでは名詞。reportも名詞で、expense reportは複合名詞と呼ばれるもののひとつである。)aは助動詞。bもcも動詞だが、経費報告書は「払う」ものではなく「提出」するもの。
意味:彼女はロンドンから帰るとすぐに会計事務所に経費報告書を提出した。
10. c) felt
この文の要となる動詞はwant。しかしasの後のIは主格であるため、後に動詞が来ると考える。asは前置詞としての用法の他、接続詞として「主語+動詞」を導くことも多い。
意味:私は(実際に)感じていたくらい悲しく見えるのはいやだったのです。
11. c) were
動詞が必要であり、主語All the family membersは複数なので、複数のbe動詞wereを選ぶ。このように主語を説明する部分が長い時は注意が必要。文頭からsisterまでが主語とその修飾語である。againstは前置詞。
意味:妹を除けばルーシーの家族の全員が彼女の結婚に反対だった。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |