中学英語からまるっとおさらい!
大人の学び直し英語【3】

文構造 「主語+動詞」がない場合

英文の構造を理解するのに重要なのは主語+動詞を見つけることですが、「主語+動詞」になっていない文もありますね。それはどんな場合でしょうか。先へ進む前に、まずそれを確認しておきましょう。

 

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会話の決まり文句には省略が多い

「主語+動詞」となっていない文としてよく触れるのは、会話文で主語や動詞が省略されている場合ではないでしょうか。

応答でGot it. と言えばI got it.(わかった)の略ですし、何か頼まれてSure. (いいですとも)と答えるのもI am sure. の略だと言えます。

 

文体としてあえて「主語+動詞」にしない場合

会話ではなく、小説やエッセイを読んでいても「主語+動詞」がないことがあります。そのことによって、ある種の効果を生んでいるのです。

例えば次のようなパッセージを見てみましょう。

A Cup of hot tea.
Some sweets of the season.

My favorite flowers.
A friend to talk with. 

「一杯の熱いお茶。
季節のスイーツ。
私のお気に入りの花。
語り合うひとりの友。」 

この4つの文はすべて名詞とそれを修飾する言葉からできています。動詞はありません。そのことでどんな効果が生まれているかは、通常の文と比べて感じてみてください。

I have a cup of hot tea.
I eat some sweets of the season.
There are my favorite flowers.
I talk with a friend.

「私は一杯の熱いお茶を飲む。
私は季節のスイーツを食べる。
私のお気に入りの花がある。
私はひとりの友と語らう。」

どちらを取るかは、好みと場合によって異なりますが、「主語+動詞」になっていないのは特別な場合だと覚えておきましょう。

 

命令文には通常主語はない

「主語+動詞」になっていないのが普通だという場合もあります。それは命令文です。命令文には動詞はありますが、主語はありません。

Look!
「見て!」 

この命令文は動詞だけで成り立っています。

Lucy, look!

こう言った場合も、必ずしもLucyを主語と捉える必要はありません。まずLucy, と呼び掛けてから「見て!」と言っていると考えます。次の文と比べてみましょう。

Lucy, you are really kind.
「Lucy, あなたは本当に親切だ。」
Lucyは呼びかけであり、areの主語はyouですね。 

命令文は動詞の原形を使います。「静かにして」「優しくしなさい」と言いたいときの動詞はdoではなくbeを使います。

Be quiet.
直訳すれば「静かであれ」

Be kind to your sister.
直訳すれば「妹(姉でもいいですが)に優しくあれ。」

否定の命令文はdo notやその短縮形don’tを動詞の前に置きます。
Don’t be late.
「遅れるなよ」
lateも形容詞なのでbe動詞が必要です。

 

pleaseを付けても命令文の一種

「命令」と言うと、きつく命令している印象があるかもしれませんが、pleaseで始まる文も、文法的には命令文の一種として分類されます。

Please sit down.
動詞のカタマリはsit down
「どうぞお座りください。」 

否定は、やはり動詞の前にdo notdon’tを付けます。
Please don’t come in now.
動詞のカタマリはcome in
「どうぞ今は入らないでください。」 

意味的には依頼ですが、文法上、命令文と呼んでいます。
pleaseが文の途中や文末に来る場合もあります。
Take me to this address, please.
「(タクシーなどで)この住所に行ってください。」

因みに、pleaseを付ければ必ず丁寧になるというわけではありません。pleaseをあまり強調して言うと、「お願いだから頼むよ!」という強圧的なニュアンスになることもあります。 

とても丁寧にしたいときは、疑問文を使うといいでしょう。日本語でも「~していただけますか。」という疑問文は丁寧な依頼になりますね。相手の意向を伺うことで、柔らかい印象になります。
Would you wait for a minute? 
「少々お待ちいただけますか。」 

意味はほぼ同じでも、命令文ではないので主語があります。
この疑問文にpleaseを加えることもできます。
Would you please wait for a minute? 

pleaseはいろいろな文につけることができます。

I’d like a cup of coffee, please.
「コーヒーを一杯いただきたいです。」

 

let’sも命令文の一種

let’s はもともとlet usの略で、動詞letは「~させる」「~させておく」という意味です。let’s+動詞の原形で「~しましょう」「~しよう」だと覚えておきましょう。 

Let’s talk on the phone.
動詞はtalk
「電話で話しましょう。」

否定にしたければ、let’sの後にnotを置きます。 

Let’s not complicate things.
動詞はcomplicate
「ものごとをややこしくするのはやめておこうよ。」

 

主語付きの命令もある

命令文に主語がないのが普通であるわけは、主語が明らかだからでもあります。命令文の主語は、通常you「あなた」「あなたたち」であるわけです。

しかし、時には主語を明確にしなければならない場合もあり、そんな時には主語をつけます。

Ms. Romano stay here; the rest of you leave for the station.
「ロマノさんはここに残って、あとの人は駅へ向かってくれ。」
命令文なので動詞は原形となり、stayにsはつきません。

また、わかっているのにわざわざyouを付けると、とても強い命令になります。

You be quiet!
「お前は静かにするんだ!」
命令文なので、youがあっても動詞は原形のbeになります。

 

練習問題

(   ) の中に入る単語を下から選んでください。

. Please (   ) not hesitate to visit us.
a) be b) do c) does

. (   ) more careful next time.
a) Be b) Do c) Please

. (   ) right on the next corner and you’ll find the library on your left.
a) Turn b) You  c) Please

4. Could (   ) tell me the best way to get to the station?
a) you b) please c) show

. Let’s (   ).
a) discussion b) discuss c) discussing

6. She should (   ) her parents during vacation.
a) assistant b) assistance c) assist

. Will you join (   ) for lunch?
a) eat b) restaurant c) us

8. Somebody (   ) the phone!
a) don’t b) answer c) should

9. Let’s (   ) remain mad at each other.
a) don’t b) not c) be

10) I will write songs. Lucy sing and Schroeder (   ) the piano. 
a) will b) play c) can

 

解答解説

.  b) do 
後ろにnotがあるので、do not hesitateで「ためらわないでください」という命令文の否定になる。
意味:遠慮しないで私たちに電話してくださいね。

. a) Be
動詞がないので動詞を入れる。carefulは「注意深い」という形容詞でmoreはここではそれを修飾する副詞。
意味:次はもっと注意深くしてください。

. a) Turn
動詞がないので動詞を入れる。
意味:次の角で右に曲がってください、そうすればあなたは左側に図書館を見出すでしょう。=次の角で右に曲がれば左側に図書館があります。

. a) you
couldを使った疑問文なので主語が必要。
意味:駅に行くのに一番いい行き方を教えていただけますか。

. b) discuss
動詞が必要。ing形(動名詞か現在分詞)や過去分詞は単独では文の中心的な動詞にはならない。be動詞を伴っている場合などはOK。だが、いずれにしてもここでは文意が合わないだろう。
意味:話し合いましょう。

. c) assist
shouldの後に動詞の原形が必要。assistantは「助手」などの意味の名詞、assistanceも「援助」などの意味の名詞である。
意味:彼女は休みの間両親を手伝うべきだ。

. c) us
動詞はすでにjoinがある。join ~で「~に加わる」。
意味:お昼ご飯に私たちに加わる?=私たちと一緒にお昼ご飯を食べる?

. b) answer
「誰か電話に出て。」という命令文。動詞の原形が必要。
意味:誰か電話に出て。

. b) not
let’sの後にdon’tは来ない。動詞はすでにremainがあるので、beは入らない。
意味:お互いに対して怒ったままでいるのはやめよう。

10. b) play
動詞が必要。acも助動詞である。主語付きの命令文なら、三人称単数でも原形になる。直前のsingも原形である。
意味:ぼくが歌を作るよ。ルーシーが歌って、シュレーダーがピアノを弾いてよ。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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