中学英語からまるっとおさらい!
大人の学び直し英語【50】
助動詞mayの過去はmightでいいの?
前回はmayの使い方を学習しました。mayの過去形にmightがあります。では、mightを使うと過去の話になるのでしょうか? 今回は助動詞mightの使い方とmayの過去について見てみましょう。
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時制の一致で使うmight
Yesterday mom said that we might go to see a movie.
意味:昨日お母さんはぼくたちが映画を観に行っていいと言った。
mom said と主節が過去になっているので、mayも過去形にします。
前回見たように、mayには許可、可能性(推量)、願望、譲歩などがありますが、上の例文では許可の意味ですね。
Yesterday I thought she might change her mind.
意味:昨日私は彼女の気が変わるかもしれないと思った。
I thoughtが過去なので、時制の一致でmightとなっていると考えられます。
ここでの助動詞mightの意味は可能性です。
※ネイティブの実際の会話では、そのままmayを使うことも多いです。mayを使っても間違いとまでは言えません。
mayと大して変わらないmight
What Helen says might be true.
意味:ヘレンが言っていることは本当かもしれない。
上の文は、What Helen says may be true.とほとんど同じです。
mightの方が可能性が低いニュアンスになると言う人もいます。しかし実際のところは、あまり区別しないで使っている場合も多いです。国によってはmayよりmightを多く使う、などの違いもあるようです。
つまり、mightは必ずしもmayの過去ではなく、単にmayの言い換えにもなるのです。
「~だったかもしれない」と言いたいときは?
では、「~だったかもしれない。」と過去のことを推量するときはどう言ったらいいでしょうか。
Mom may have said so.
Mom might have said so.
意味はどちらも「お母さんはそう言ったかもしれない」となります。
may/might + have + 動詞の過去分詞
つまり、助動詞may/mightの後に完了形が続く形ですね。
たとえmay/might have…で始まっていても、その後に動詞の過去分詞が続いていなかったら、普通に「持つ」という意味のhaveかもしれません。違いに気を付けてください。
He may have the time to do it tomorrow afternoon.
意味:彼は明日の午後ならそれをする時間があるかもしれない。
上の例文ではhaveの後が動詞の過去分詞ではなく名詞です。では、次の例文はどうでしょうか。
I might have to work overtime today.
意味:私は今日残業をしなければならないかもしれない。
mightの後がhave toとなっています。have toは「~しなければならない」という意味で、mustと同じですね。助動詞may/mightとmustを続けて使うことはできません。そこで「~しなければいけないかもしれない」と言いたければmay have toまたはmight have toを使います。
練習問題
それぞれの文のmay, mightの違いに注意して意味を取ってみましょう。
1. He said he might come tomorrow.
2. We may have some rain today.
3. We may have made a mistake in our calculations.
4. You may have to wait a little while.
5. The team may not have the best players but it plays to its strengths.
6. I thought I might try a new recipe.
7. He may have missed his train.
8. She might have to have her appendix out.
9. My dog may have already eaten your sandwich…
10. I may not have been the greatest president, but I've had the most fun eight years.
解答・解説・和訳
1. 彼は明日来るかもしれないと言った。
一応時制の一致でmightを使っています。
2. 今日は雨が降るかもしれない。
haveの後が名詞なので、過去の意味にはなりません。We have some rainで「雨がいくらか降る」。
3. 私たちは計算でミスを犯したかもしれない。
may have made とmayの後がhave+動詞の過去分詞になっているので過去の可能性です。madeは過去形も過去分詞も形が同じですが、haveの後に来ていれば過去分詞だとわかります。
4. あなたは少し待たなければいけないかもしれません。
=少しお待たせしてしまうかもしれません。
have toなので「~しなければならない」ですね。
5. そのチームは最高の選手をそろえているというわけではないが、自分たちの強みを生かして闘っている。
haveの後が名詞なので過去ではありません。
butの後のitはthe team, itsは所有格でthe team’sをそれぞれ指しています。
6. 新しいレシピを試してもいいかなと思ったんだ。
時制の一致。
7. 彼は汽車に乗り遅れたのかもしれない。
may have missed は過去の可能性。
8. 彼女は盲腸を取らないといけないかもしれない。
have toなので「~しなければならない」
その後のhaveは使役で「~してもらう」
使役の場合、通常haveやmakeの後に名詞+動詞が続きますね。ここでは名詞her appendixの後にoutがあります。outは前置詞だけではなく、副詞、形容詞、名詞、動詞があります。ここは盲腸を体外に出してもらうということです。
9. ぼくの犬がもうあなたのサンドイッチを食べてしまったかもしれません。
ここでのhave already eatenは過去というより現在完了です。
10. 私は最も偉大な大統領ではなかったかもしれませんが、8年間最高に楽しい時を過ごしました。
(ビル・クリントン元大統領の言葉です。)
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |