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大人の学び直し英語【23】

文構造 ひとつの動詞に目的語がふたつ – SVOOの文 -2-

前回は「誰が誰に何をどうする」という構文の原則について説明しました。今回はこれに関連して、間違えやすい点について詳しく解説します。特に「誰に」の前に前置詞を付ける場合は注意が必要です。

 

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語順に注意!

A: I’ll send you an email later.
意味:後ほどあなたにメールをお送りします。 

この語順なら、youに日本語の「に」にあたる前置詞を付ける必要はありません。Youan emailsendという動詞の目的語です。それは「○○に××を」の語順の場合ですね。
ここまでは前回ご説明しました。

語順を変えると話はまた別です。 

B: I’ll send an email to you later.

意味はまったく同じですが、youの前に前置詞toが付きました。
「××を○○に」の語順だと、「○○に」の部分に前置詞が必要です。 

因みに、前置詞が付いたので、to yousendの目的語とは言えなくなります。
文型としては「主語+動詞+目的語」SVOの文ということになります。

 

誰がお前を送った?!

I’ll send an email.
だけでも正しい文です。
意味:私はメールを送ります。

I’ll send you.
も文法的には正しい文です。ただし、こうなると「あなたに」という意味ではなくなります。

意味:私はあなたを送ります。

どのようなシチュエーションかというと、「私」が「あなた」にどこかへ行くよう指示するということですね。

例えばアクション映画で、自分を暗殺しようとやってきた刺客を捕まえ、

Who sent you?

と言えば、「誰に言われて来た?」という意味になります。

 

私はあなたを料理する?!

I’ll cook you dinner.
意味:君に晩御飯を作るよ。 

「○○に××を」の語順なので前置詞は要りません。語順を変えるとどうなるでしょうか。

I’ll cook dinner for you.

意味は同じですが、「○○に」が後に置かれ、前置詞が必要となります。

I’ll cook dinner. (晩御飯を作るよ。)だけでも正しい文です。

I’ll cook you.も文法的には正しいですが、法律的、倫理的には大変なことになってしまいます。

意味:君を料理するよ。

 

動詞に合わせて前置詞を使い分ける

前置詞にtoを使うかforを使うかは、動詞によって違います。

「覚えるのがめんどくさい!」という方は、前の記事で「誰に何をどうする」で使える動詞を2種類に分けたことを思い出してください。

【動詞1】
give(与える), lend(貸す), show(見せる), teach(教える), send(送る), tell(告げる、物語る), write(書く、手紙などを書く), pass(渡す)

【動詞2】
make(作る), buy(買う), choose(選ぶ), cook(料理する), get(手に入れる)

動詞1はtoを取り、動詞2はforを使います。

動詞1は相手がいて初めて成り立つ行為。
動詞2は相手がいなくても成り立つ行為です。

例えば、
I made a sandwich.
意味:私はサンドイッチを作った。
は「○○に」という相手がいてもいなくてもできることですが、

I gave a sandwich.
意味:私はサンドイッチをあげた。
は、たとえ文中で示していなくても、「誰かに」あげたということです。

もうひとつの覚え方は、日本語で「○○のために」と言うのが自然かどうかです。

動詞1は「○○に」というのが自然で、「○○のために」と言うと特殊な文脈がなければ無理があります。
〇「私はチャーリーにサンドイッチをあげた」

I gave Charlie a sandwich. = I gave a sandwich to Charlie.

動詞2は「○○に」とも言えますし、「○○のために」と言い換えるのも自然にできます。
〇「私はチャーリーにサンドイッチを作った」
〇「私はチャーリーのためにサンドイッチを作った」

I made Charlie a sandwich. = I made a sandwich for Charlie.

forには「○○のため」という意味があるので、覚えやすいと思います。

 

前置詞ひとつで意味がガラリと変わる動詞”write”

I’ll write my mother an email.
意味:私は母にメールを書くつもりだ。 

writeは「(手紙やメールなどを)書く」という意味では動詞1に入ります。ですから、語順を変えると

I’ll write an email to my mother.

となります。

I’ll write an email for my mother.

という文もありますが、意味が変わってしまうので要注意です。

意味:私は母に代わってメールを書いた。

つまり、何らかの理由でメールが書けないお母さんのために、誰か他の人に宛てたメールを書いてあげたということになります。

 

練習問題

(  )に前置詞to, for, ofのいずれかを入れてください。

1. Could you lend your dictionary (  ) me?

2. What restaurant should I choose (  ) my girlfriend?

3. Can you give a definite answer (  ) me by tomorrow?

4. The furniture is made (  ) walnut.

5. We must get a good job (  ) him.

6. What can I give my dog (  ) pain?

7. I’ll pass the information (  ) the police.

8. He cooked chicken (  ) his baby.

9. Our grand father told his adventures (  ) us.

10. They gave a real responsibility (  ) their students.

 

解答・解説・和訳

1. to
和訳:あなたの辞書を私に貸していただけますか。

2. for
和訳:恋人のためにどんなレストランを選んだらいいだろう。

3. to
和訳:明日までに最終的なお返事を私にいただけますか。

4. of
※「誰に」「何を」の文ではない。
made of ~で「~で作られている」という意味。
和訳:その家具はクルミの木で作られている。

5. for
和訳:私たちは彼のために良い仕事を見つけてやらなければならない。

6. for
※「誰に」「何を」の文ではない。
和訳:私の犬に痛みのために何をあげられるでしょうか。=痛み止めに犬に何をあげて良いでしょうか。

7. to
和訳:私は警察に情報を伝えるつもりです。

8. for
和訳:彼は赤ちゃんのために鶏肉を料理した。

9. to
和訳:祖父は私たちに彼の冒険を語ってくれた。 

10. to
和訳:彼らは学生たちに真の責任を与えた。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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