中学英語からまるっとおさらい!
大人の学び直し英語【28】
分詞構文 -1-
前回、前々回と分詞の話をしてきたので、分詞構文についても見ておきましょう。分詞構文を使うことによって、簡潔な表現が可能となります。英文を理解するためにも、表現の幅を広げるためにも、ぜひマスターしておきたいですね。
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分詞構文ってナニモノ?
前回まで名詞を修飾する分詞について解説しました。
今回は、分詞がひとつの節(主語+動詞)全体を修飾する例を見ていきましょう。
Listening to her favorite music, she forgot everything.
この文の中心となる動詞はどれでしょうか。
分詞はhaveやbe動詞を伴わないで中心的な動詞になることはできないので、Listeningではありません。
過去形のforgotがこの文の中心となる動詞です。
その主語はsheですね。
では、Listeningの意味上の主語は誰かというと、後半と同じsheです。
文全体の意味は、次の文と同じです。
While she was listening to her favorite music, she forgot everything.
意味:お気に入りの音楽を聴きながら、彼女はすべてを忘れた。
同じことを言うのに、後の例文の方が少し長く、もたもたした感じがしませんか。
最初の例文の方がスッキリしています。
前の節も後ろの節も主語が同じなら、1回言えばいいじゃないですか。
というわけで、一方(従属節)を分詞にすれば、接続詞も主語も省いて良いという決まりがあります。それを分詞構文と呼んでいます。
どちらを分詞にするか
ふたつの節のどちらで分詞を使い、どちらを「主語+動詞」の形にするかというと、whileなど接続詞が付いている方を分詞にします。
とはいえ、いつも接続詞付きの文から分詞構文に書き換えるわけではありません。ライティングなどで迷ったら、重要な情報を「主語+動詞」で表し、理由や状況など付帯的な情報を分詞で表すと覚えておきましょう。
上の例文では、she forgot everythingの方が重要な情報だということです。
分詞を使った部分、Listening to her favorite music,はどんな状況で「すべてを忘れた」のか説明しているわけです。
また、順番としては、分詞部分が前で主節が後でも、その逆でも意味は変わりません。先ほどの例文は次の書き方もありということです。
She forgot everything listening to her favorite music.
分詞構文には3つの形がある
分詞構文はなんだかややこしいと思っている方も多いようですが、形の上から分類すれば、たったの3つです。
1 現在分詞(-ing)
2 過去分詞(規則的に活用する動詞は-ed)
3 完了形の分詞構文(having + 過去分詞)
現在分詞を使うか過去分詞を使うか
先ほどの例文をもう一度見てみましょう。
Listening to her favorite music, she forgot everything.
なぜListenを現在分詞にしなければならないのか。
それは、主語sheが「聞いている」のであって、「聞かれている」わけではないからです。
次の例文と比べてください。
Chased by his dog, the cat climbed the cherry tree in his garden.
主節はどれでしょうか。
「主語+動詞」となっているthe cat climbed the cherry treeの方ですね。
分詞はChasedと過去分詞が使われています。
動詞chaseはカーチェイスなどでお馴染みかと思いますが、「追いかける」という意味です。
主語the catは「追いかけている」のではなく、「追いかけられている」、つまり受け身ということで、過去分詞を使います。
意味:彼の犬に追いかけられ、その猫は庭の桜の木に登った。
次回も分詞構文を続けます。
練習問題
( )に入るものを選んでください。(分詞構文以外の文も含まれています。)
1. He lost his keys ( ) through the park.
1) walk 2) walking 3) walked 4) to walk
2. ( ) the envelope, I found a concert ticket of my favorite group.
1) Open 2) Opening 3) Opened 4) to open
3. She didn’t have the strength ( ) any further.
1) walk 2) walking 3) walked 4) to walk
4. The movie star left the hotel, ( ) by journalists.
1) surround 2) surrounding 3) surrounded 4) to surround
5. I don’t think my father will let me ( ) to the theater alone.
1) go 2) going 3) gone 4) to go
6. ( ) properly, the drug is relatively safe.
1) use 2) using 3) used 4) to use
7. ( ) the piano well requires a lot of practice.
1) Play 2) Playing 3) Played 4) Having played
8. ( ) nothing to do, he went to bed early.
1) have 2) having 3) had 4) to have
9. The ( ) kitten went in my grandmother’s garden.
1) abandon 2) abandoning 3) abandoned 4) to abandon
10. At high altitudes of Tibet it is difficult ( ).
1) breathe 2) breathing 3) breathed 4) to breathe
解答・解説・和訳
1. 2) walking
分詞構文。主語heがwalkしたので現在分詞。
意味:彼は公園を歩いていてカギをなくした。
2. 2) Opening
分詞構文。主語Iがopenしたので現在分詞。
意味:私は封筒を開けてお気に入りのグループのコンサートのチケットを見出した。=封筒を開けるとお気に入りのグループのコンサートのチケットがあった。
3. 4) to walk
この場合、不定詞が名詞the strengthを修飾し、「歩くための力」となる。
意味:彼女はそれ以上遠くへ歩く力はなかった。
4. 3) surrounded
分詞構文。主語The movie starはsurroundされていたので過去分詞。
カンマがあるので、ホテルがsurroundされていたのではない。
「ジャーナリストたちに囲まれたホテル」ではなく、「囲まれて」「出た」。
意味:その映画スターはジャーナリストたちに囲まれてホテルを出た。
5. 1) go
使役動詞let+人+動詞の原形で「人に~させる」「人に~することを許す」
意味:私は父が私をひとりで劇場に行かせてくれるとは思いません。
6. 3) used
分詞構文。主語the drugはuseされるので過去分詞。
意味:正しく使われればその薬は比較的安全です。
7. 2) Playing
「上手にピアノを弾くこと」という動名詞。
意味:上手にピアノを弾くことは多くの練習を要求する。
8. 2) having
分詞構文。
意味:することがなかったので、彼は早く寝た。
9. 3) abandoned
名詞kittenを過去分詞が修飾している。
kittenはabandonされたので過去分詞。
意味:捨てられた猫は私の祖母の庭に入り込んだ。
10. 4) to breathe
it is difficult to 動詞の原形で「~するのが難しい」
breathは名詞で「呼吸」。breatheは動詞で「呼吸する」。
意味:チベットの標高の高いところでは、呼吸するのが難しい。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |