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大人の学び直し英語【79】命令文と主語

命令文

前回まで4回にわたって命令文を勉強してきました。命令文には主語がないというのが大原則です。しかし、主語があって一見平叙文(「普通の」文)に見えても、意味としては指示や命令を表すこともあります。今回は主語付きの命令文について学習しましょう。

 

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複数の人に異なる命令/指示を出す場合

命令文の主語は常にyouであって分かり切っているから省略されるというのが原則です。相手が複数であろうと、同じことを指示するならそれで問題ありません。

しかし、複数の相手に別々の指示を出さなければならないこともあります。その場合、まず相手の名を呼んでから命令文を続ければいいでしょう。

Mr. Suzuki, follow me. Mr. Yamada, wait here for a moment.
意味:鈴木さん、私についてきて。山田さん、少しここで待って。

もうひとつの方法は、命令文に主語をつけてしまうことです。

Mr. Suzuki follow me. Mr. Yamada wait here for a moment.

意味はまったく同じです。

 

平叙文と命令文の区別の仕方

主語付きの命令文が三人称単数の場合は、動詞を見れば命令文かどうかがわかります。

上の例文では、平叙文の現在形であれば動詞にsが付くはずです。

Mr. Suzuki follows me. Mr. Yamada waits here for a moment.
意味:鈴木さんは私についてきます。山田さんはしばらくここで待ちます。

因みに、followには「ついていく」のほかにもいろいろな意味がありますから、文脈によっては違う意味にもなるでしょう。

さて、主語がyouの場合、平叙文の現在形は動詞の原形そのままですから、その文を見ただけでは区別がつきにくいですね。

You always obey your parents.

上の例文は二通りに取ることができます。
命令文と取れば「いつも両親に従いなさい」
平叙文と取れば「お前いつも親に従うんだな」

誰が誰に言っているのかなど、前後の文脈を見れば、どちらになるかわかるはずです。

動詞がbe動詞の時は、主語がyouであっても原形ではないので、混同することはないでしょう。

You be careful.
意味:注意深くしなさい。

beは原形なので、命令文だとわかります。
平叙文なら次のようになるはずです。

You are careful.
意味:あなたは注意深い。

 

主語のある否定命令文 

「~するな」「~しないでください」という否定命令文では、肯定命令文の前にdon’tを置くことを勉強しましたね。

Sit down.
意味:座りなさい。

→Don’t sit down on this chair.
意味:この椅子に座らないで。

pleaseを使うときは、don’tをpleaseの後に置きます。

Please don’t sit down on this chair.
意味:この椅子に座らないでください。

主語付きで否定命令文にしたいときは、平叙文の前にdon’tを置きます。

Don’t you sit down on this chair.

これを否定疑問文と混同しないようにしましょう。

Don’t you sit down on this chair?
意味:座らないのですか?/

否定疑問文なら最後が上がり調子になるはずです。書き言葉ならクエスチョンマークが付きます。

 

主語無しの命令文vs主語付きの命令文

さて、主語無しの命令文と主語付きの命令文は、ニュアンスとしてどう違うでしょうか。

この記事の最初で見たように、複数の相手に異なる指示を出す場合、ニュアンスはほとんど変わりません。

しかし、相手がひとりで、誰に言っているか明確なのにわざわざyouを付けるというのはどういうことでしょうか。
それだけ強調されるということですね。

Continue the job.
意味:仕事を続けろ。

You continue the job.
意味:お前は仕事を続けるんだ。/あなたは仕事を続けるのです。

1と2の例文では、2の方がニュアンスは強くなります。

否定命令文でも同じことが言えます。

Don’t move!
意味:動くな!/動かないで!

Don’t you move!
意味:動くんじゃない!/動かないの!

やはり1より2の方が強いニュアンスです。

 

 練習問題

次の英文を日本語にしてみてください。

1 Be quiet.
2 Don’t you think it’s better to take a taxi?
3 Stay away from my daughter.
4 You are quiet.
5 Never beat your dog.
6 You wash your hand first and then eat.
7 Don't you get impertinent with me.

 

解答例・解説

1 静かにしなさい。
-主語のない通常の命令文
2 タクシーに乗った方がいいと思わない?
-否定疑問文
3 私の娘に近づくんじゃない。
-主語のない通常の命令文
4 君は静かだね。
-平叙文の現在形
5 あなたの犬を決して殴ってはいけない。
-neverという強い否定語で始まる否定命令文
6 まず手を洗ってそれから食べなさい。
-文法的には平叙文とも取れるが、文意から命令文である可能性が高い。
7 私に対して生意気になるんじゃない=私に生意気な口をきくな。
-最後にクエスチョンマークがないので、疑問文ではない。また、文意からも命令文と取るのが自然。

 

 

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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