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大人の学び直し英語【9】

文構造 品詞と文中の役割

「大人の学び直し英語」では、これまで英文の基本的な骨組みを理解するために必要な主語、動詞、目的語、そして補語について解説してきました。いろいろな用語が出てきたので、一度整理しておくのも悪くないでしょう。

 

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品詞と文中の役割は別

どんな言語でも、文の成り立ちを理解するには、次のふたつを見る必要があります。

1. ある単語(または複数の単語のカタマリ)がその文でどのような役割をしているか

例えば、主語や目的語、補語、修飾語などがこれに当たります。

国文法では「文の成分」と言っていますが、中学校で習う国文法には「目的語」や「補語」という言い方はありません。「~を」は「修飾語」に入れられていますし、「~だ」は述語になります。

逆に、英語を勉強するとき、「述語」という分類はあまり使いません。

 

2. ある単語がどの品詞にあたるか

品詞とは名詞、動詞、形容詞などを指し、辞書を引けば載っています。

名詞は文中で主語や目的語、補語の役割を担うことができます。

形容詞は補語となったり修飾語となったりします。

因みに、英文法では形容動詞という分類はありません。

「キレイだ」は国文法では形容動詞ですが、この英訳であるbeautifulprettyadjective、つまり形容詞です。

逆に、hungryadjectiveですが、「おなかが空いている」は名詞や動詞などの複合体です。

 

3. 品詞としての動詞と文中の役割としての動詞

英文法で「動詞」と言った場合、文中の役割を指す場合と品詞としての動詞を指す場合があります。

英文には必ずその文の中心となる動詞があります。そのため、「述語」はどれかを考えるより、文の「動詞」はどれかを見ます。主語に対応する動詞がその文の中心となる動詞です。この動詞が「述」語」のカタマリを作ります。

品詞としては動詞でも、文の中心的な動詞とはならず、主語や目的語、補語、修飾語などになることがあります。
その場合は、前にtoが付いたり後にingが付いたり、過去分詞になっていたりします。

例)
She was a warm and loving mother. 

lovingは動詞ですが、motherを修飾しています。この文の中心となる動詞はwasです。
意味:彼女は暖かく愛情に満ちた母親だった。

 

英文になくてはならない骨組みとは

骨組みがなければ文として成立しないとすると、英文の骨組みを作る要素は次の成分です。

主語(命令文以外)
動詞(一般動詞、be動詞)
目的語(動詞が他動詞の場合)
補語(動詞が補語を必要とする場合) 

その他の要素は修飾語(飾り)など、なくても文としては成り立つ成分です。

気を付けなければならないのは、なくても成り立つとか成り立たないと言うときの意味です。これはあくまでも文法的なことで、コミュニケーション上の情報としてその単語が重要かどうかではありません。

例えば、

I can swim.
意味:私は泳げます。 

は主語+(助動詞)+自動詞で、文法的には文として成立しています。しかし、相手が知りたかったのが「速く泳げるか。」だとすると、必要な情報は欠けていることになります。

ではなぜ「文として成立する/しない」を学ぶかというと、関係代名詞を使うときなど、これを理解していないと迷子になってしまうからです。

 

練習問題

日本語の文と同じ意味になるように並べ替えてください。ただし、文頭に来る単語も小文字で始まっています。

1. 私たちは皆ストレスを処理することを学ばなければならない。
a) have to b) stress c) we all d) learn e) to handle  

2. 私たちは土曜日の午前中は決して仕事しません。
a) Saturday mornings b) we c) never d) work e) on 

3. 新しい遊び場を作ることは、地元の子どもたちのためになるだろう。
a) benefit b) of new playgrounds c) the local children d) the creation e) will

4. ティーンエージャーとその両親は滅多に意見が一致しない。
a) teenagers b) agree c) rarely d) and e) their parents  

5. 手術は成功の見込みが五分五分だ。
a) the operation b) success c) has d) a fifty-fifty e) chance of  

6. 規則的に運動することは、子どもたちにとって成長のための良い習慣だ。
a) habit for kids b) is c) regular exercise d) to develop e) a good 

7. 考えてみますがお約束はできませんよ。  
a) consider it b) I make c) I’ll d) it e) but f) no promises 

8. 銀行家相手には書かれた書類以外何も効力がないでしょう。 
a) written documents b) will c) nothing but d) be valid e) with bankers   

9. 彼は懐疑的な人々を説得することはできなかった。
a) the sceptics b) he c) unable d) was e) to convince  

10. ビリーは10年間従業員として働いた後で、自分の店を開くことに決めた。
a) as an employee b) Billy decided c) her own shop d) to open e) working f) after g) for 10 years

 

解答・解説

1. cadeb
We all have to learn to handle stress.
have to ~: ~しなければならない
この文の動詞はlearn
handleも品詞の上では動詞だが、to handle「処理すること」はlearnの目的語だと考えれば良い。have toは助動詞だと考えられる。

2. bcdea/eabcd
We never work on Saturday mornings./On Saturday mornings, we never work.
動詞はworkで主語+動詞の構文。 

3. dbeac
The creation of new playgrounds will benefit the local children.
動詞はbenefit: ためになる、役立つ
the local childrenはその目的語
benefitには名詞もある。

4. adecb
Teenagers and their parents rarely agree.
動詞はagree: 賛成する、意見が一致する。
rarely: めったに~ない(他の否定語なしで文が否定の意味になる。)
主語+動詞の構文である。

5. acdeb
The operation has a fifty-fifty chance of success.
operationには「手術」の他に、「作戦」などいろいろな意味がある。
fifty-fiftyの前に冠詞のaがあるので、後に名詞が来るとわかる。
動詞はhasでa fifty-fifty chance of successが目的語のカタマリ。

6. cbead
Regular exercise is a good habit for kids to develop.
動詞はis
is以下は主語の補語のカタマリ。
developも品詞の上では動詞だが、to不定詞となってa good habitを後ろから修飾し、「成長するための良い習慣」となっている。

7. cadebf
I’ll consider it but I make no promises.
but前の節の動詞はconsider、後の節の動詞はmake
considerは他動詞の用法と自動詞の用法があるので、目的語はあってもなくてもいいが、ここではmakeの目的語がno promisesになるので、itはconsiderの後に入れるしかないことがわかる。

8. cabde/ecabd
Nothing but written documents will be valid with bankers.
With bankers, nothing but written documents will be valid.
動詞はbe
willの後なので原形。
nothing but written documentsが主語のカタマリ。
validは形容詞で主語の補語となっている。
butは「しかし」という意味の接続詞のほか、このように前置詞として「~以外」の意味で使われることも多い。

9. bdcea
He was unable to convince the sceptics.
動詞はwas
unableは「~できない」という意味の形容詞で、主語の補語になっている。
後にto+動詞を続けて「~することができない」という意味になる。
意味としては次の文と同じ。
この文では動詞はconvinceで目的語がthe scepticsとなる。

10. bdcfeag/bdcfega
Billy decided to open her own shop after working as an employee for 10 years. 
Billy decided to open her own shop after working for 10 years as an employee.
動詞はdecided
その目的語がto open her own shopだと考えられる。
afterの後は名詞が来るか、節(主語+動詞)が来るか、このように動名詞が来る。
employeeの訳は「従業員」とは限らず、広く「雇われた人」という意味である。
雇い主はemployer。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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